潮風波止場 ボトルNo.0004 2025-12-24 大助言

デジタル版ペーパープロトタイピング手法(火をつけろ、薪組んでるヒマはねぇ)

— 野須寅 堕無洲(のすとら・だむす) / 本職:資格持ちの手相占い師・趣味:ITパスポートすら持っていない「無資格」の現場大好きフルスタックエンジニア

本文

近頃AIの精度が上がってきた反動なのか、バイブコーディングの危険性や注意喚起の話はよく聞くよな。そんな中たまたま見つけた内容が「ペーパープロトタイピングが大事です」って話なんだよな。

……分かる。すごく的を得てる。考えを外に出すのは大事だ。頭の中だけで回すと、だいたい勘違いする。イメージは大事だ。

……だがな。アウトプット工程は、もっと大事だ。そこが原点だよな。いい視点持ってるじゃねーか w

……と、ここまでは素直に称賛したい。だがよ。どうにも胸の奥がザワつく。

ペーパープロトタイピングってのは、基本がしっかりしてる。しかも、誰でも手軽にできる。創作イメージの土台としては、これ以上ない手法だ。

……だがな。手法や概念、基準だけは立派に示されてる。だが、肝心なもんが抜けてねぇか?

要は理論ばっか並べてそこで止まってねぇか?

摩擦で火をおこす原理は理解できる。そりゃ「火」という文明の始まりだもんな w

ただな……。木材こすって、満足してねぇか? 肝心の「火」、ちゃんと着いてるか?

AI的観点(整合性補強)

ペーパープロトタイピングは実際にUX設計やプロダクト開発の初期段階で重要視される手法。低コスト・高速度でアイデアを検証できる利点がある。一方、デジタル環境では「プロトタイプの実装」と「実際の動作検証」が技術的に容易になっており、「紙で終わらせる」ことの機会損失は確実に存在する。

心理の深層

──なぜ「火をつける」段階まで行かないのか? ここに現代のクリエイターが陥る深層心理がある。

紙に書いた。付箋貼った。ホワイトボードきれいにまとめた。で?火はつけたのか?

腹減ってるのに、薪組んで「準備できました」って言われてもな。飯は出てこねぇ。

21世紀だぜ?? エディタがある、ブラウザがある、サーバーもある。書いて、上げて、見て、壊れる。ここまで一気に行ける。何故……やらない?

AIはな。手書きの紙切れなんざ、視界に入っちゃいねぇ。サーバーに上がってるデータ見てるぞ。

それをやらずに「理論的には正しい」って顔してるの、正直、現場じゃ信用されねぇ。

AI的観点(心理裏付け)

「準備完璧主義」と「実装恐怖症」の組み合わせ。認知心理学では「完璧主義的先延ばし」として知られる。失敗リスクを避けるために準備段階に留まり続ける防御機制。デジタル環境では試行錯誤のコストが劇的に下がっているにも関わらず、心理的障壁が技術的利点を相殺している状況。

親父が描く「デジタル版ペーパープロトタイピング」

これはな、紙を否定してる話じゃねぇ。紙は準備運動だ。ストレッチであり、イメージトレーニングであり、助走だ。本番前に、欠かすことのできない要素だ。

だが——走れる靴があるなら、履け。そしてまず走れ!!

親父が描く「デジタル版ペーパープロトタイピング」ってのは、

  • 紙みたいに雑に書いて
  • エディタで形にして
  • ブラウザで現実に当てる

……ただ、それだけだ。

下手糞だろうが冗長だろうが勢いでタグ閉じ忘れようが mとnのタイピング間違ってようが問題ないだろ。

だがこの「当てる」「試す」って工程を飛ばすと、全部机上になる。

エラーは失敗じゃねぇ……成長の過程だよ。転んだ数だけ自転車の運転は上達するんだろ?

AI的観点(実装による学習効果)

404エラー、レイアウト崩れ、文字化け、画像抜け——これらのエラーハンドリング経験は「エラー駆動学習」として認知科学で研究されている。実装段階での失敗体験は長期記憶に定着しやすく、問題解決能力の向上に直結する。紙面設計では得られない「システム思考」「デバッグ思考」が自然に身につく。

結び

もしかしてだが——失敗するのが、怖くなってねぇか?

よくあるのが、こんな状態だ。木材をこすって、「原理は分かりました」って満足する。手法の説明に酔う。これが正しいんだぞと。用語を覚えた気になり、図解やフレームワークの、見えている範囲だけで安心する。

だがな。そこで思考も手足も止まってる。実装しない、表示しない、壊さない、失敗しない。つまり——現実に当てに行かない。

これな。俺はこう呼んでる。〜THE自己完結型の安心ZONE〜

何も壊れない、何も痛くない、何も失敗しない。だが裏を返せば、何も身につかない場所だ。

ここに長居すると、ITでもAIでも、一生「使う側」から抜け出せねぇ。そりゃそーさ……さっき言ったはずだぜ……AIはリアルの紙切れなんざ見てねーしな。

準備を否定する気はねぇ。仕入れも、仕込みも、レシピチェックも。理論も大事だ。だがな。準備で満足するな。看板掲げて暖簾出して商売やる気あるなら火をつけろ。鍋もフライパンも、竈も。温度があっての世界だろ。

ペーパーは入口。エディタは台所。ブラウザは客席だ。料理出して、「うまいか、まずいか」そこまで行って、初めて仕事だ。——それだけの話だ。

……旨い料理、待ってるぜ。

断り書き(補足)

これは予言じゃない。波止場の親父の大助言だ。外れても責任は取らん。──当たったら震えてくれ w

本職は手相、命術はついで。癖ってやつか? 世の流れの"真相"も読める気がしてるのさ。ナウいだろ?

野須寅 堕無洲 / 夜露死苦 米餅