通信衛星とデブリ P4 2026‑02‑17 非対称性

増やせば強くなるとは限らない

── 数で補えるものと、数で壊れるもの

— 野須寅 堕無洲(のすとら・だむす)|数の錯覚論

地上の常識を宇宙で計るとどうなるか

地上の常識を宇宙で計るとどうなるか
・・・科学的検証と想定できる範囲での考察だという事はご理解いただきたい。

未知なる法則が宇宙にあるかもしれんがあくまで地に足付けた見解だ

大きな数を見ると安心する

人間心理ってのはな、
大きな数を見ると安心する生き物だ。

バックアップがある。

予備がある。

冗長化している。

そう聞くだけで、
なんとなく「大丈夫そうだ」「安心だ」と思ってしまう。

お金も人も資源も多けりゃ安心するのも心理の一つだろ。

地上ではそれが正解だった

実際、
地上の世界ではそれが正解な場面も多い。

発電所が一つ止まっても、
別の発電所がカバーする。

回線が一本切れても、
別ルートが生きている。

数で支える。数で守る。

ただ・・・過多や枯渇によるバランスは問題点も多々あるが・・・。

まー・・・これは、
ちゃんと地球上では実際に機能してきた戦略だ。

同じ発想を宇宙に持ち込む

だからだろうな。
同じ発想を、
そのまま宇宙にも持ち込みたくなる。

衛星を増やす。

数で覆う。

一つ壊れても、別がある。

理屈としては、
きれいだ。

決定的な違いがある

だがな、
ここで一つ、
決定的な違いがある。

壊れた時に、
増えるのは何か。

地上はゴミが増えない

地上インフラの場合、
壊れても「ゴミ」は増えない。

壊れた設備は撤去され、

片付けられ、

次に置き換えられる。

数を増やしても、
リスクは比例しない。

物理的なコントロール可能な範囲内で収まるからだ。

でも宇宙では違う

でも宇宙では違う。地球の管理下にない物理世界だ…。

衛星を一つ増やす。
それは同時に、
将来デブリになる"候補"を一つ増やす
という意味でもある。

同じ「数」でも作用は真逆

衛星:数で補える

デブリ:数が増えれば悪化する

ここが、
最大の落とし穴だ。地球と同じ土台目線で宇宙見てないか?

ただの算数だ

数が増えれば、
衝突確率が上がる。

衝突が起きれば、
破片が増える。

破片が増えれば、
さらに衝突確率が上がる。

――ただの算数だ。

しかもな、
この算数は、
途中で止められない

一度増え始めたら、
減らす手段がほぼ無い。

除去技術があれば話は別だが

デブリを完全除去できる技術が存在するなら話は別だ…。

…存在してたらとっくに海洋のゴミは片付いてるだろ???

空の上はさらに厳しい環境のはずだぜ。

宇宙では引き算できない

地上なら、
「増えすぎたから減らそう」
ができる。

工場を止める。

設備を撤去する。

交通量を制限する。

でも宇宙では、
増えたものを
引き算できない。

数の錯覚

ここで、人は錯覚する。

「数が多い=安定している」

という錯覚だ。

実際は、
こうだ。

衛星:数で安心

デブリ:数で地獄

聞こえがいい説明

それでも、
「数で覆えば問題ない」
という説明は、
聞こえがいい。

投資家も安心する。

利用者も安心する。

未来感もある。

だが、
安心しているのは、
今だけだ。

この違和感だけは拭えない

俺が一番気になるのは、
ここだ。この違和感だけは拭えない。

増やした結果、
壊れ始めるタイミングは、
必ず"後の世代"に来る。

今の責任者じゃない。
今の利用者でもない。

次だ。

見分けられるか

数で強くなる構造と、
数で壊れる構造。

これを見分けられないまま、
「インフラ」という言葉だけが
先に歩いていく。

それはな、
ちょっと危ない。

問題は何が増えるか

増やすこと自体が、
悪いわけじゃない。

問題は、
増やした後に何が増えるか
を、

ちゃんと見ているかどうかだ。

片付ける手段まで最初からセットならば、何の違和感も出てこない話だがな…。

最後だ

じゃあ、どうすればいい。

「それでもインフラと呼ぶなら」
その資格条件を、
最後に書いておく。