P3 2026‑06‑08 夢と責任

絶対大丈夫

— 野須寅 堕無洲(のすとら・だむす)|「絶対大丈夫」は信用しない

前記事にて、鉄道や飛行機や工場の話をした。

身に覚えがあるとか、見たことある人も大勢いると思うぜ。

どの現場にも共通してたものがある。

👉 「確認」だ。

そしてもう一つ。

現場の人間ほど、軽々しく言わねぇ言葉がある。

👉 それが、「絶対大丈夫」(要は完璧系のワード)だ。

今回はその話をじっくりしようじゃないか。

誤解しないでくれよ(笑)

何度も言うが、俺は悲観論者じゃねぇ。

どちらかと言えば、

👉 「夢にワクワクする現場主義者」だ。

もちろん夢も好きだ。

挑戦もチャレンジ精神も好きだ。

前向きな話も好きだ。

転んでも起き上がる不屈の精神はもっと好きだ。

だがな。

長く生きてると、どうにも脳内の片隅にこびりついて、引っ掛かる言葉がある。

「絶対大丈夫です」

「問題ありません」

「心配いりません」

「完璧です」

「間違いありません」

系の言葉だ。

👉 正直言う。俺はあまりというか、ほとんど信用してねぇ(笑)

なぜか。

👉 世の中を見渡しても、本当に責任を負う立場の人間ほど、そんな事を軽々しく言わねぇからだ。

例えば保険。例えば投資。例えば金融。

25年以上昔、そっち側の世界を少しだけだが経験した事がある。

営業側の気持ちも分かる。そりゃ営業してたからな(笑)

そりゃな。リスクの話なんて短い方が楽だ。
むしろやったら期待熱が冷めるしな(笑)

デメリットより、メリットを語った方が売りやすい。

夢を語った方が盛り上がる。

数字を見せた方が喜ばれる。

当たり前だ。

👉 だがな。本当に責任ある業界ほど、リスク説明を絶対に避けられねぇ。

重要事項説明。免責事項。対象外条件。注意事項。確認事項。

聞いてる側からしたら、正直面倒臭ぇだろうよ(笑)

だが、きちんと理由がある。

👉 結局後で揉めるのは、説明しなかった案件だからだ。

だからきちんと事前説明する。
だから相互確認する。
だからしっかり記録を残す。

金融庁に怒られるから?
違う。それもあるけど違う(笑)

👉 もっと根本だ。人間は勘違いするからだ。
人間は都合よく解釈するからだ。人間は忘れるからだ。

言った言わないの感情ベースの、血みどろ水掛け論の応酬合戦になった果てに、
平和的な落としどころや解決ポイントがあるのか?

👉 だから残すんじゃないのか。だから説明するんだろ。

これ、前回の鉄道や飛行機と根本同じなんだよな。

指差し確認。呼称確認。非常口説明。重要事項説明。

👉 全部同じ。形が違うだけだ。やってる事は「もしも」の確認なんだ。

そしてな。

俺が最近滅多クソ気になるのは、

👉 大きな夢を語る人ほど、リスクを極端に語りたがらなくなってる事だ。

課題を聞くな。

不安を煽るな。

否定するな。

まっすぐ信じろ。応援しろ。

そんな空気になる。

👉 「もしも」はどこに行ったんだろうな(笑)

だが俺は思う。むしろ逆じゃねぇか?

👉 本当に信じて欲しいなら、本当に相手のためならば、
万が一を織り込んだうえで、課題を話せよ。

👉 本当に応援して欲しいなら、リスクを話せよ。

👉 本当に投資して欲しいなら、最悪のケースも話せよ。

その方が信用出来る。

「今現状は分かりません」でもいい。

「現在未解決です」でもいい。

「ここは今後の課題です」でもいい。

👉 その方が真剣に現実を見てる。その方が人間らしい。

逆にな。

完璧です。

問題ありません。

絶対大丈夫です。

👉 この三点セットを見ると、俺は逆に不安になる(笑)

世の中そんなに都合よく単純じゃねぇからな。

事故も起きる。

失敗もある。

想定外もある。

問題はそこじゃない。

👉 問題は、その時どうするつもりなのか。

👉 完璧と真逆の出来事が起きたらどうするのか。

👉 そこまで考えた上での言葉なのか。

俺はそこが気になるんだよ。そこなんだ。

だから俺は保証なんか求めちゃいねぇ。
未来なんて誰にも分からねぇ。

👉 求めてるのは、見解だ。覚悟だ。そして説明責任だ。

次回は、今回の話の核心に入ろう。