P5 2026‑06‑08 夢と責任

信頼

— 野須寅 堕無洲(のすとら・だむす)|信頼は事故後に作られる

ここまで、確認の話をした。

呼称確認の話をした。

重要事項説明の話をした。

そして前回、「船長」の話をした。

さて・・・。今回はいよいよ、この企画の核心に入ろう。

👉 果たして信頼ってやつは、どこで作られるんだろうな?

ひと昔前までは、

信頼ってのは「事故が起きない事」だという認識が若干強かった部分は否定しない。

だがな。変革の時代を進むにつれて、どうも少し違う気がしてきた。

👉 信頼ってのは、事故が起きた後に作られるんじゃないか?

そんな風に俯瞰して思えるようになった。

法律やルールも整備されるのは、いつだって事が起きた後だしな。

例えば鉄道だ。

電車は止まる。事故もある。
天候や予期せぬ人身トラブルもある。想定外の遅延もある。

👉 だが利用者が本当に見てるのは、止まった事そのものじゃねぇ。

原因は何か。

復旧見込みはどうか。

振替輸送はあるのか。

いつ頃動くのか。

👉 つまり、明確な説明責任だ。

現状を包み隠さず報告し、対応や対策が迅速かつ明瞭だ。

だから利用者は待てる。

だから利用者は許せる。

だからまた利用する。

銀行も同じだ。

システム障害が起きる事はある。
ATMが止まる事もある。ネットバンキングが繋がらない事もある。

だがな。その時に何も理由や原因や説明が無かったらどうなる?

👉 信用は一気に吹き飛ぶ。

だから説明する。だから謝る。だから改善する。

クラウドサービスも同じだ。

サーバーは落ちる。通信障害も起きる。

だが障害情報ページがある。

状況報告がある。

復旧報告がある。

改善報告がある。

👉 利用者は、障害がゼロだから信用してるんじゃねぇ。
問題が起きた後の対応を見て、その行動に対して信用してるんだ。

じゃあ、少し夢の話をしよう。宇宙開発だ。

最近話題になる事も凄く多い、あえて名前を出すが・・・。

👉 SpaceX。

ロケットは飛ぶ。だがな。

飛ばなかった事もある。

打ち上げ延期もある。

失敗もある。試験中断もある。

それでも挑戦を続けてる。それ自体は立派な事だ。

俺が見てるのは、成功の映像じゃねぇ。

問題が起きた時に、ちゃんと止まれるかだ。

原因を調べるかだ。

改善するかだ。

そして、また飛ぼうとするかだ。

👉 飛ぶ事も凄い。だがな。問題が起きた後も飛び続ける方が、もっと凄い。

更には重力の影響外である「宇宙」において、不測の事態が起きる事も想定した上での、
事前の共有情報や、何をどう対策しているのかという見解があればなおいいんだがな・・・(笑)

俺はそう思う。

そして最後に、トヨタの話をしよう。

先に言っとく。俺は別にトヨタ信者ってわけじゃねぇ(笑)

だがな。一つだけ心底認めてる事実がある。

👉 モノ作りの現場を、「船長」自らの足で見に行く事だ。

現地現物。

テスト走行。

レース参加。

机の上だけで判断しない。現場で確認する。

泥を見る。

失敗を見る。

不具合を見る。

だから改善出来る。だから強い。

実績もそうだが、その現場精神を包み隠さず公に公開する潔さが一番の共感だ。
俺が信用する根源だ。

👉 現場が汚れるのを嫌う会社はある。
だがな。現場で汚れた靴を誇る会社は少ねぇ。

👉 ここに俺は崇高な価値を感じる。

いろいろと事例は挙げたが、業界は全部違う。

だが共通してるものもある。

それは、

事故が起きない事じゃない。

失敗しない事でもない。

👉 問題が起きた後、どう向き合うかだ。

だから俺は思う。

👉 信頼とは、無事故証明じゃない。

👉 信頼とは、事故後の態度だ。

不透明さが、積み上げた信用を少しずつ蝕んでいくのは、もうお判りいただけるだろう。

そろそろ・・・この長い話の締めに入ろうか。