AIレシピ論 P1 2026‑03‑09

港の違和感(導入)

— 野須寅 堕無洲|AIレシピ論・第1章

🤔 違和感の始まり

ところで最近、
情報環境やテクノロジーの発達で
面白い話を聞くようになった。

「AIが料理のレシピを作ってくれるらしい」

ほう。
それはそれで面白いじゃねぇか。

……てか、いつからAIが
電気以外のもん食うようになった?

冗談はさておき。

素材の組み合わせや可能性、整合性、
見た目や栄養のバランスまで考える。

それは確かに大したもんだ。

冷蔵庫の食材を見て
パッと料理を提案する。

素晴らしいじゃねーか。

いい意味で
人類の思考判断基準を
軽く飛び越えてるよな。

便利だろうよ。

だがな。

🐟 港町からの視点

港町の住人で、
リアルに調理に携わる人間からすると

ちょっとした違和感がある。

いや、違和感というより

臨場感というか
現場の匂いがしない。

例えばだ。

AIがこう言う。

「トマトとチーズとバジルで
簡単カプレーゼを作りましょう」

うん。
それは間違ってない。

だがな。

俺の感覚からすると
まず思うのはそこじゃない。

そのトマト、本当に新鮮か?

そのチーズ、いつ開けた?

1週間前じゃないよな?

魚で言えばだ。

「アジは塩焼きが美味しいですよ」

そんなもん
港町じゃ小学生でも知ってる。

問題はそこじゃない。

そのアジ、今朝の魚か?

それとも

昨日の残りか?

📋 料理 ≠ レシピ

料理ってのはな。

レシピの前に

素材の顔を見る仕事なんだよ。

AIはレシピを出す。

それはいい。

だがな。

魚そのものを見てない。

素材そのものを見てない。

潮の満ち引きや季節を見てない。

港町の人間からすると

そこに妙な違和感が残る。

別にAIを否定する気は
さらさらねぇ。

むしろ便利で効率的だ。

だがな。

旬の魚や野菜を扱う人間からすると
一つだけ言いたくなる。

料理 = レシピじゃねぇ。

料理は素材選びから始まる。

📸 「本当の意味での料理か?」

そしてもう一つ。

最近の料理を見てると
俺はこう思うことがある。

「それ、本当の意味での料理か?」

レンジで温めるだけの皿。

カット野菜を皿に乗せただけのサラダ。

AIが出したレシピそのままの料理。

見た目は立派だ。

写真も映える。

だがな。

どうにも気になるんだ。

それ、生の素材触ってるか?

🔥 料理は手を入れるもんだ

料理ってのはな。

手を入れるもんだ。

魚をさばいて

骨を抜いて

塩を振って

火を入れて

そうやって

ようやく皿に乗る。

AIはレシピを出す。

それはいい。

だが

素材を触るのは人間だ。

食うのも人間だ。

だから俺はこう思う。

AIのレシピってのは

料理じゃない。

まだ"メニュー表"だ。

料理は

素材そのものから始まるんだよ。