🗣️ 常連客が持ってきた話
少しばかり前の話だ。
いつもの常連が
スマホ見せながら俺に言うんだ。
「AIが面白い料理教えてくれたぞ」
画面を覗くと、たしかに立派なレシピだった。
なかなかおもしれーじゃないか。
手順も工程もわかりやすく、きれいに並んでる。
調味料も細かく書いてある。
なるほど。
確かによく出来てる。見栄えとしてはな…
だがな。
俺はそこで
一つだけ聞いた。
「その魚、触ったことあんのか?」
🐟 料理は素材を感じてから始まる
料理ってのはな。
レシピから始まる仕事じゃない。
素材を感じてから始まる仕事だ。
仮に魚を扱う人間だったら
誰でも知ってる。
同じ魚でも
毎回状態が違う。
— 毎回違う素材の状態 —
目の状態
脂の乗り
身の締まり
獲れた海域
匂い
水分
血の残り方
全部違う。
だから料理人は
魚を見る。
触る。
そして感じる。
包丁を入れる前に
もう半分判断してる。
例えばな。
同じ鯖でも
今日は刺身がいいか
それとも焼いた方がいいか
触れば分かる。
匂いでも分かる。
包丁の入り方でも分かる。
その時々の状態で判断する。
⚠️ AIはそれが分からない
ところがAIは
それが分からない。
魚を見ない。
触らない。
匂いも嗅がない。
つまり
素材の状態を知らない。
⚡ リアルタイム判断
料理人は
いつもリアルタイムで判断してる。
塩はどれくらいか
火はどれくらいか
何分焼くか
それは
レシピ通りじゃない。
素材の状態や加減を見て決める。
ところがAIのレシピは
素材が
常に同じ状態
だと仮定している。
理想の材料。
理想の分量。
理想の火加減。
だがな。正直…理想論を並べられてもな。
現場の料理は
そんな世界じゃない。
🗺️ レシピは地図だ
だから俺は思うんだ。
AIのレシピは
確かに立派だ。
だが
料理ではない。
レシピってのは
料理の
地図みたいなもんだ。
だが
地図を持ってるだけじゃ
海には出られない。
港町界隈で言わせてもらうなら
すなわちこういうことだ。
漁に出ない奴が
魚の話をしてる。
まあいい。
AIは否定しない。
レシピ帳としては
かなり優秀だ。
だがな。
料理ってのは
素材を見る仕事だ。
最後にAIに
一つだけ聞いてみたい。
「お前…魚、触ったことあんのか?」